輪々華と華の化け猫暮らし

重い病の占い師が足長おじさん風ご主人様(夫)に飼われるだけの幸福を満喫しつつ反抗する日々📨ioan7379@yahoo.co.jp

みーさんのこと

多嘉良は教えてくれない。

ちょくちょく会ってるのに。

 

教えてよ、と言うと

シカトされるか、

「教えない」と言われる。クソめ。(失礼)

 

さっき、うとうと

というかウトウトまでいかなくて、

ウトウトの中の

`(カタカナのウ、の最初の点)

くらいの

ぼんやりさの中で、思い出していた。

 

みーさん。

みーさんとの最初の頃。

タマ(私の仮のあだ名。みーさんしか呼ばない、みーさんが考えた、ある名前)

と呼び

始めた頃。

 

アパートに駐車場がなくて、

あるんだけど私は車ないから、

契約してなくて。

みーさんは、アパート近くの月極めのパーキング、すぐ契約してきた。

ごみ捨て場の近くに一晩停めてたら、

駐禁取られたから。

 

で、部屋が2階だったんだけど

マンションじゃなくめちゃくちゃ単なるアパートなので。

安普請で、階段を上がってくる足音も響いて、

みーさんは「ただいま」って来るようになった。

すでに半同棲感あり。

 

最初、ヤる前に

っていうと、元も子もないけど

エッチ前に

「私、ちょっと脳の病気があってさ」

と伝えた。

記憶に問題があって…

と。

 

みーさんは、一瞬「へえー」って

なって、その後はわりと真剣に聴いていた。

 

私は、後から誤解がないように

なるべく最初に、いつも言っていた。

その、誰かと付き合うとか

付き合わなくても、そういうことする前に。

どうでも良い人というか、間違いなく

行きずりだぜ~みたいな人には言わない。

体に傷あっても、暗いから見えないし。

 

みーさんの前に付き合ってたお医者さんは、

脳外科の先生だから

あながち専門外でもないし、安心。

他の人で、

「いや~俺メンヘラとヤっちゃってさ~」

というような人とは、最初からしない。(か、言わない)

ある程度、深く考察するか

話を真剣に受け止めて、別れても忘れないでいてくれる人を、選んでいた。

 

付き合うって、そういうこと。

記憶に残ること。

お互いに、人を學ぶってこと。

魂を一瞬でも、繋げること。

繋げなかったとしても、繋ごうとすること。それが大事なんだ。

 

「傷があるんだけど、気にしないでね」も

伝えた。

みーさん、傷を見て、触って、何も言わなかった。

みーさんの心は、「この子かわいそうだな」

と思っていた。善意と、普通の感情。普通の

自然な同情。

 

みーさんのお母さんに、初めて会った後…

 

たぶん今まで、みーさんは歴代の彼女を

お母さんに会わせて、ダメになるケースが

多かったぽい。

 

みーさんが話してくれたけど、高校時代に

彼女連れてきて(ヤってたら)

お母さんが部屋に入ってきて、その彼女は

裸でベッド内で、挨拶したとか。

結婚までいけそうな人もいたけど

お母さんが彼女を(お母さんと二人だけで)温泉に誘って、そこでイビったらしく、別れたとか。

 

高校生の息子の、セックス中に部屋に入る母って…

みーさんは、だから、どこかでお母さんに

本当の意味では大事にされていない、

っていう不信感・不満感があったはず。

 

お母さんと会った後の、

私の反応を心配して、びくびくしていた。

なんか、同年代(同い年)の

しっかり仕事しててプライド高くて、

ある程度モテてここまで来ました、という男の人が、振られそうで泣きそう、って顔を

初めて見た。

 

しかも、お母さんが原因っていう、どうにも

ならない理由で。

20代半ば、付き合うなら結婚を意識して付き合う。まともな女の子なら、尚更。

きょうだいがニート、という一点を、汚点として避ける人もいる。

みーさんの周り(学歴やキャリア重視)は、

特にそうだったかも。

 

みーさんは、ガチガチになってる。

家族の呪縛に。

私もそうよ。

わけわからない義理父がいて、

 

結婚なんて考えられない。

 

そう思って、みーさんに

「私が守ってあげるからね」

と言った。みーさんを抱っこした。

 

それが一回目の、危機っちゃ危機?

だった。 みーさん内で。

 

私には危機じゃなかったから、

私が一回目の危機と思ったのは、また別の時だ。

 

みーさんには、煙草吸わないで!煙草止めな、と付き合ってすぐ言われた。

まあ、塾で仕事してた時、

塾の社員や講師は喫煙率高くて、

こっそり仕事後に一服して、

モンダミンして、帰ったりはしていた。

(バレてない)

 

夜中だかに、

みーさんの変態的なこと(プレイ)に付き合って、あーあ。やってらんね~よ、

という気分に、私はなっていた。

そこからパツンと記憶がなくなる

んだけど、

みーさんが寝てる時どっか行って、

みーさんに連れ戻されて、煙草のにおいが

したらしいのね。

 

気づいたら玄関で、すごく怒られてた。

怖い!

とだけ思った。みーさんが。

またパツンと記憶が切れて、次はみーさんに、お風呂でジャバジャバ洗われていた。

 

みーさんによると、ちょっと大声で叱ったら

私はその場で、失禁(お漏らし)

したらしい。

しかも、上目遣いで

みーさんを見てて、何か喋ってたけど

全然聞き取れなかった、と。

 

不気味…

 

ところがみーさんは、ものすごく興奮してた。

①性的に。

②本当にこんな人いるんだなー。俺が☆守ってあげないと★いやはや映画の中にいるみたい、今。◇◇みーさんの心の声。

 

病院で、主治の先生に色々聞いて、

みーさんは…

なんというか、のめり込んで来た。

私に。私の病気に。

 

義理父が人格障害とか、母がどうも

ある筋で知られる霊能者とか、

姉ちゃんが元ヤン(元レディース総長)とか、他のことはどーでもいいらしかった。

 

姉ちゃんに、「お前マジでこんなの(私)と結婚したらヤバいって」

と言われても

「**(タマじゃなく本名)ちゃんがいい」

って感じだ。

 

結婚前に、うちの親に会った時に、

義理父が意味なく怒鳴ったのだけど、

みーさんは適当に流した。

みーさんは、外で(どこかお店などで)

失礼なことをされると、

「それおかしくないですか?」ってハッキリ言う。トラブルは、だいたい口で言い含める。

でも、義理父に対しては

「まともじゃないから」と言って

私の前で喧嘩にならないように、流してくれた。

 

みーさんラブ

と思っていたけど…

生理中に苦しい時に

「生理中なら中出しOK」

って感じだったり、つらいことも多い。

 

私も私で、なんで、無理ばっかするのか、

自分が自分でよくわからない。

血で、寝具がベトベトに汚れても、

その中で幸せそうに眠るみーさんは、

やっぱりあの辺りからもう、おかしくなっていた。

 

おかしい、って何を指すのだろう。

どこから、異常?

最初から出会う前から、二人とも

おかしかった。

 

ちょっと違う。

みーさんは、おかしくなくて

おかしい、の芽を持っていただけね。

 

――――――

多嘉良は、全然おかしくなかった。

最初、当たり前だけど全然。おかしくない。

まとも。

どこまでも優しい人なだけ。

 

今も、狂わないように

ちょっと狂っても、私に

引きずられないように

気をつけている人だ。

 

私の頭はきっと

やっぱおかしいんだろう、と思ってしまう。

悲しくなる。脳外科の先生が、

「あなたのような人は

まともな男を奈落に突き落とす」って

最後に言ったこと。

 

多嘉良は、それについて

「私に全面的に非があるように

言っただけ」

「所詮、遊び」

「女に正面から、真剣に向き合う能力がなかった」

「都合が悪くなったので逃亡」

などなど、酷評した。

 

みーさんについては、多嘉良は

一応

私に最後まで向き合った

一応

精神の限界まで

と思っている。一応。

 

多嘉良は強いので、どうしても甘えがち。

甘えないようにしよう。気をつけよう。

 

明日は朝から病院だ。もう寝なきゃ。

熱ありで、色々と考え出したのかも。

おやすみなさい!