朝のどたばた

朝、6時半に目が覚めたら…

多嘉良がいない！

かるくパニックになる猫。

昨夜、多嘉良は仕事の飲み会。

帰って来ないなんて、変。

すぐ電話する。

電話ごし。

多《はいはい》（淡々）

私「うえーん」泣いてるだけ。

多《あと1時間内に戻ります》

誰かが一緒にいるから、敬語。

誰だ？

女性じゃないか！

でも浮気じゃないのはわかる。

お父さんの会社の人だし、他に男性もいる。

多嘉良が飲み会の日は、お母さんが来てくれる。

娘の部屋で二人は、まだ寝ている。

トイレ掃除して、

床をクイックルワイパーして、

乾いた洗濯物を畳んで、

憮然として紅茶飲む。

多嘉良、それからすぐ帰ってきた。

部下の男性に、車で送られて。

（お酒飲んでるから）

ベロンベロン。かなり飲んでる状態。

ここまで飲んでる状態は、めったに見ない。

見た目は変わってない。相当、眠そう。

目つきとか、話す内容も普通。

お母さんと、娘が起きてきた。

お母さんは、昔から多嘉良のすることには、

一切口出ししない。

ので、

私が

「お母さん、多嘉良ってば今帰ってきたんだよ～！」

つっても、

「あらぁ…」

って感じ。

目線で、

（ホラホラ、ちゃんと◎◎ちゃんに説明したら？）

って感じ。

娘は、なーんも言わない。

おなかすいた！

だけ。

朝ごはんの用意をした。

おにぎり、のっぺ という煮物、

ホットドッグ、ミネストローネ、

ココア。

（系統ばらばら）

多嘉良は、会社のパワハラ問題にも取り組んでて、

ある社員の女性（若いけど、仕事がめちゃめちゃ出来る）

の相談を受けていた。

その人が、最近病んで辞めそうになってて、

役職もある人で、とにかく仕事出来るので、

会社には、いて貰いたい人。

詳しくはわからないけど、多嘉良にも意地悪をしている、けっこう年輩の偉い人が、

悪いらしい。

暴言とか。

精神的圧迫。

多嘉良は、前の仕事よりは私に、色々話してくれる。

だからその話も、知っている。

証拠がないのだそう。

で、チャンスがあったので、その人（悪い人）に一晩付き合って、証拠を得たのだって。

よく聞いてないけど、

その時、その人が女性社員に言った言葉を、

録音したとかだと思う。

でも、短時間で一升以上、一升と何合か、

多嘉良は無理に（強引に？）飲まされたらしい。

それ、ひどくない？

飲めない人に飲ませたら、死んでしまうでしょ。

で、泣き狂う私。

神様のお部屋に入って、考える。

多嘉良は、「…いや別に飲めるから」

と言った。

そういう問題じゃないや。

神様は、

「それがアナタの旦那さんの方法なんでしょ」

とおっしゃる。

（この口調ではない）

多嘉良、この間、ソファーで寝落ち。

彼は酔うと、眠くなるのよ。

お母さんと娘、普通に朝ごはんを食べて、

娘は学校へ。

お母さんが車で、送ってくれる。

多嘉良の実家の近くに住んでるわけだし、

お父さんからも

「家賃がバカにならないだろう」って、

言われてるのだけど。

多嘉良が遅くなる日は、お母さんが来てくれるし。

で、また

ふらっと起きた多嘉良、

シャワーして歯みがきしてる。

着て行ったスーツ、タバコくさっ。

眠いので、私はまた寝る。

多嘉良が来て、話の続き。

その女性社員の彼氏とまで、話をして来たらしい。

悪い人は、訴訟になりそう。

ってか、多嘉良も被害を受けてる。

色々。多嘉良が、被害と思ってないだけ。

彼にとっては、痛くないから。

でもお酒については、死んでたかもしれないじゃん！

うオーん、と泣く化け猫。

私は理不尽なことが、大嫌い。

理不尽なことで、大事な人が嫌な目に遭うのが、大嫌い。

多嘉良。心配されて嬉しそう。

ニヤーッとして（酔ってる？）

ぎゅうぎゅう抱っこして

（いてえ。やっぱ酔ってる）

安らかな顔で、寝た。

13時過ぎまで。株とか、チェックもせずに。

起きたら、普段と同じ。

シャキッとしてる。

私「まったく、普通は浮気と思われるよ！

その女性社員も、朝までいたのかよ」

（口調に乱れが…）

多「そいつの婚約者が迎えに来たから。ってか●●（部下の男性）もいたから」

私「5Pかもしれないだろーが」

多「こらこらこら。1人多いぞ」

あっ、パワハラオヤジを数に入れちゃったわ。